重度の難聴に悩んでいる方にとって適切な補聴器を選ぶことは日常生活を快適にする大きな一歩です。
しかし、どの補聴器が最適か迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では重度難聴に適した補聴器の選び方や特徴、購入時の注意点について詳しく解説します。
難聴は耳が聞こえにくくなる病気です。
下図をご覧ください。
縦軸が音の大きさ(dB:デシベル -20dBの小さな音~120dBの大きな音)
横軸が音の高さ(Hz:ヘルツ 125Hzの低い音~8kHzの高い音)を表しています。
※難聴の種類については こちらのコラム をご覧ください。
健康な聞こえの状態である
健聴(25dB以下の音の大きさで聞こえる)から
ストレスや病気、老化など
様々な要因を受けて下記のように難聴が進んでいきます。
❶ささやき声などが聞こえにくくなる
【軽度難聴:聞くために25dB以上~40dB未満の音の大きさが必要】
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❷複数人や騒がしい中で聞きにくくなる
【中度難聴:聞くために40dB以上~70dB未満の音の大きさが必要】
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❸大きな声でも聞きにくくなる
【高度難聴:聞くために70dB以上~90dB未満の音の大きさが必要】
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❹耳元で大きな声でも聞きづらい
【重度難聴:聞くために90dB以上の音の大きさが必要】
【最重度難聴:100dB以上の音の大きさが必要】
非常に大きな声や大きな音しか聞こえません。
高度難聴者は会話レベルでの発言を聞くことができず、
重度難聴者は大きな音が主に振動としてしか知覚されません。
難聴の程度はしばしば音域により異なり、多くの場合、低音域の聞き取りは比較的に聞き取りやすい状態です。
騒々しい環境など、多くの背景雑音を伴う騒がしい環境では、会話についていくのが非常に困難です。会話の明瞭性は、 たとえ補聴器などで音を大きくしても、会話のような重要な音がハッキリ聞き取れないことがあります。
重度難聴に適した補聴器には、特殊な機能や特徴があります。
重度難聴ではしっかりした音量を届ける必要があるのでパワフルな音の増幅性能を持つ補聴器が必要
ノイズキャンセリング機能(周囲の環境音を抑える)や、指向性マイク機能(顔を向けた方向の会話音を拾いやすくする)により騒音環境下での聞き取りを補助する
テレビやスマートフォンとのBluetoothによるやワイヤレス接続機能によってクリアな音質を補聴器に直接届けて聞き取りを補助する
重度難聴向けの補聴器はバッテリー消耗が速いために長時間使用に耐えるバッテリー性能が必要
以上のことから、下図のように補聴器本体の大きさも最小サイズ(向かって右側)の補聴器よりもがっしりとした大きさになり、
電池の大きさも長時間使用向けに大きくなります。
青色のシール(675)は平均10時間/日の使用で約28~30日、
茶色のシール(312)は約7~10日に一度が交換の目安になります。
補聴器は大きく分けて耳かけ型と耳あな型に分けられます。
その中でも耳かけ型補聴器の大きさは以下の2つに分けられます。
①小さくて目立たないRITE(小型耳かけ補聴器)
②大きくて取り扱いしやすいBTE(耳かけ補聴器)
また、耳あな型補聴器の大きさも以下の2つに分けられます。
③小さくて目立たないIICやCIC(小型耳あな補聴器)
④大きくて取り扱いしやすいカナル(ITC)やフル(ITE)といった耳あな型補聴器
研究が進んだ現在では、小型の耳かけ補聴器も重度難聴へ対応できるパワフルな音を出せるようになりました。
しかし、現在も大きな補聴器が使い続けられているのには理由があります。
小型耳かけ補聴器(RITE又はRICともいう)と耳かけ補聴器(BTE)のメリット・デメリットをご紹介します。
小型耳かけ補聴器は、補聴器本体(マイクを含む)+レシーバー(音を出す)+耳せん(正しい装用で快適な音を届ける)の3つでできています。
❶小型耳かけ補聴器 RITE(RIC)とBTEのメリット・デメリット
<メリット>
RIC:小さくて目立ちにくい 軽くて着け心地が快適
BTE:大きくて扱いやすい 最重度難聴まで対応する音のパワフルさがある
<デメリット>
RIC:小さくて上手く扱えない マスクなどに干渉して落ちる
※RICを重度難聴用に使用する為には、上の図の【ミニレシーバー:音を耳の中へ届ける治具】を強力な音が出せる【カスタムモールド付きレシーバー】に補聴器代金とは別途で追加購入が必要
BTE:大きくて目立つ 耳に着けている重さを少し感じる
❷小型耳あな補聴器 IIC・CICとITC・ITEのメリット・デメリット
<メリット>
IIC(1枚目)・CIC(2枚目):耳の奥まで入るので目立たない
ITC(1枚目)・ITE(2枚目):大きくて扱いやすい
<デメリット>
IIC・CIC:小さくて上手く扱えない 慣れないと自声のこもりが気になる
ITC・ITE:大きくて目立つ 慣れないと自声のこもりが気になる
❸補聴器は電池タイプと充電タイプがある
日頃の取扱いが大変便利な充電タイプの補聴器❗
お耳から外して充電器に仕舞うと自動的に電源OFF
充電器から取り出すと自動で電源ONになります👍
一方で電池式の補聴器は
外出先で急にバッテリーが切れてしまった時や
停電の際などの充電が出来ない環境下では
電池を交換しさえすればいつでも使用可能です☝️
外出先で急にバッテリーが切れてしまった時や
停電の際などの充電が出来ない環境下では
電池を交換しさえすればいつでも使用可能です☝️
※充電タイプの補聴器もモバイルバッテリーを持ち歩けば外出先での充電も可能です。また、補聴器専用の充電器に蓄電機能が備わったものもあり、外出先で電源が無くとも3日~4日分のフル充電が可能なものも販売されております。
補聴器を選ぶ際に注意すべきポイントや、具体的な選び方を解説します。
・専門家によるフィッティングの重要性
重度難聴用の補聴器は聴覚器を傷つけてしまう音を出すことが出来る(補聴器はある一定以上の音が出ないように出力を制限する機能が付いている)ため、専門家による音の調整が非常に重要です。
※補聴器専門店を選ぶメリットについては こちらのコラム をご覧ください。
・長期的なサポートを提供する販売店の選び方
補聴器は着けたその日から快適に使用できるというものではありません。実生活での聞こえを確認していただきながら、補聴器を使用する方の聞こえ具合に合わせて、約90日間を目安に30日に1度の調整を重ねることが大切です。
※補聴器の調整の重要性については こちらのコラム をご覧ください。
・試着や試聴の重要性
補聴器は目立たせたくないとおっしゃる方が殆どです。もちろん、小型の補聴器は着け心地も良くデザイン性も優れています。しかし、実際に補聴器をお耳に着けるのはご自身なので「上手く耳に着けられるのか?」「電池の交換はできるか?」など、デザイン性や聞き心地も大切ですが自分で取り扱いが出来るのかということも非常に重要な検討材料です。
※補聴器のレンタルについては こちらのコラム をご覧ください。
❶補聴器の価格帯について
各メーカー毎にまとめてございますので下記のコラムをご覧ください。
ーーー Signia(シグニア)補聴器
ーーー Resound(リサウンド)補聴器
ーーー Phonak(フォナック)補聴器
ーーー Oticon(オーティコン)補聴器
❷補助金について
障害者総合支援法や医療費控除によりご負担を軽減できる方法もございます。
詳しくは こちらのコラム をご覧ください。
補聴器は故障の原因の9割が湿気や汗によるものです💡
補聴器は日常的なメンテナンスが必要です。
補聴器を購入すると乾燥カップ(シリカゲル入り)が貰えますので、入浴中や就寝中に補聴器を乾燥カップに入れて湿気から守ることが大切です。
その他にも耳の周りや耳の中は皮脂や汗、耳垢に晒されるので、補聴器を取り外した後には必ずクリーニングシートでのお掃除が欠かせません。
補聴器のご使用後は、毎日行っていただくととても衛生的です。
補聴器を購入した店舗へ定期的に通っていただくと、補聴器の掃除や乾燥を無料で受けられます。専門店に置いてある乾燥機は強力に湿気を取り除いてくれるので、室内外の寒暖差の激しい夏場と冬場は特に短い間隔で定期的にお店に通うことを強くお勧めします💡
こちらのコラムも参考にしてください。
補聴器の平均寿命は5~6年と言われておりますが、
上述しましたお手入れ方法を実行していただきながら、
お店での定期点検も合わせてご利用いただけますと
5, 6年以上使われている方も多くいらっしゃいます。
また、補聴器は約2年に一度新製品が登場しますので、
➡️お使いの補聴器が故障された場合に修理金額を何度かお支払いしていくという方
➡️買替えてより良いきこえと新たな保証期間を付帯させるというお考えの方
皆さまご自身の生活スタイルに合わせて補聴器をお使いになられています。
その他の口コミや体験談は、こちら をご覧ください。
重度難聴の方でも、適切な補聴器を選ぶことで、日常生活の質を大幅に向上させることができます。
まずは専門家に相談して、あなたに最適な補聴器を見つけましょう。
補聴器のみで聞こえが難しい場合には、補聴器の補助機器(集音用マイク)なども併用するとよりQOLの向上が期待できます。
詳しくは お問い合わせ ください。
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