60代、女性。
<主訴>
聞こえ難さに加え、耳の中が敏感という悩みをお持ちのお客様。
「耳の病気を経て聴力が弱まり、
音は聞こえるけれど言葉がハッキリしないことがある。
父親が補聴器ユーザーということもあり、
自分もいつかは使うのだろうという覚悟は有ったが、
とにかく耳が痒くなりやすいので着けていられるかが心配。」とのことでした。
【ご来店時の聴力】
平均聴力 右46dB 左54dB 中等度難聴と言われる状態
【お客様からのご要望】
・メガネやアクセサリーに干渉しない耳穴型の補聴器を使用したい。
・言葉の聞き取りを改善したい。
・不快感が無く、長く着けていられるものが欲しい。
【機種選定】
耳穴型補聴器は、既製品と耳を模って作成するオーダーメイドに分けられます。
サンプルも含めて双方の装用感を実際にお耳でお試しになられた結果、
ピッタリと密着感のあるオーダーメイドでは、
「着けていられないかも…」と難色を示されました。
(オーダーメイド耳穴型補聴器と既製耳穴型補聴器について、
詳しくは以下のコラムに記載があります。是非、ご覧ください。
上記の内容から、試聴レンタルは既製耳穴型補聴器での開始となります。
⇩
シグニア補聴器「Active Pro(アクティブプロ)」
コラムではお馴染みの、ワイヤレスイヤホン風の充電耳穴型補聴器です。
耳せんは、形状など大小様々なものを試し、不快感の少ないものを選択。
(※既製品の補聴器のお耳へ入れる部分にはシリコン素材の耳せんを取り付けます)
先ず、一週間お試しいただきましたが、結果としては「若干、耳が痛い…」。
どうやら、外から見える丸い部分が耳穴の入り口付近に当たり、
ほんの少し痛みを感じていたようです。
お手軽な既製補聴器では有りますが、耳の穴の大きさによって合う合わないと相性が分かれてしまうのが弱点でもあり、オーダーメイド補聴器と大きく事なる点ですね。
(本記事の装用画像はイメージです。装用感、見た目には個人差があります。)
二週間目は、別の機種をご提案いたしました。
シグニア補聴器「Silk(シルク)」
小さくて目立ち難い、電池式補聴器です。
トライアングル型のクールな見た目が特徴的です。
こちらは、装用(補聴器を耳に着けることを「装用(ソウヨウ)」と言います)した直後から「すごく楽!」とのご評価。
着け心地が良いため気分も前向きになった様子で、会話をはっきりさせたい!TVを聞きやすくしたい!など、別のご希望も出て参りました。
多くの環境で楽しく使えるよう、補聴器用のスマートフォンアプリとペアリング。シグニア補聴器のアプリでは、音量や音質の調整、電池残量の確認などを利用者が手動ですることが出来ます。
Activeと同じくらいの期間、ご自宅で試していただきました。
【最終結果】
結果は……痛みなく、終日着けていられたということで、無事「Silk」に決定。
補聴器用の音量調整アプリと組み合わせたことで、より安心して使えたとのことでした。
小型耳穴型補聴器には、補聴器のリモコンや、スマートフォンアプリが対応しないものもありますので、使える機種をご提案して大正解でした。
【その後のご様子】
使い始めて3ヶ月程経った今は、時折クリーニングと調整を挟みつつ上手に使っておられます。
先日、カフェなどざわざわした中でご友人の声が聞きづらいとのご意見がありましたので再調整を実施し、iPadで背後から雑音を流しながら調整前後での言葉の聞き取りチェックを比較すると調整後は正解率がぐっと向上しました。
今後もお客様が必要性を感じるタイミングで微調整を行ってまいります。
【最後に】
補聴器は毎年のように新製品が出て参ります。
かつて、着け心地を理由として補聴器を断念した方も、一度試してみてはいかがでしょうか。